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beneath your beautiful

fangirling all day

SISTAR ダソムとソユへのスイートな誤解(「Singles」2013年2月号)

SISTAR SOYOU DASOM 日本語訳 2013
純粋だがうぶではない。甘いが同時に手強い。華の21歳、22歳になったSISTARのダソムとソユは、それぞれ違う道で輝いている。
 
SISTARはアイドルではない。若くて可愛らしい容姿だけを武器にARに合わせて口を動かしそれらしく歌唱力を着飾るのがアイドルの定義だというのなら。SISTARはセクシーではない。胸の谷間を露骨に見せつけ、陰険な想像力を掻き立てる安っぽい歌詞を歌うことがセクシーさの正義だというのなら。現在、歌謡界でSISTARはアイドルらしくないアイドル、露骨でないセクシーさの象徴である。
 
歌手としての人生、練習生時代の辛い経験などは省いて20代前半の少女から女性へ変わりゆく過程にいる彼女たちを知りたかった頃、ダソムとソユに出会った。一人でバスに乗っているとイヤフォンの音楽の合間から声が聞こえてきた。その声は楽しそうで、音楽を止めて耳をそばだてた。何がそんなに面白くて深刻なのか、おしゃべりに夢中になる女子高生たち。スタジオに現れたSISTARのダソムとソユがスタッフたちと騒い出いるのを見ていると、その姿を連想した。そして知りたくなった。何をそんなに楽しそうに、真剣に話しているのだろう。

 

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#アメリカーノとミルクティー
ソユとダソムを説明するのにこれよりも明確な言葉があるだろうか。ソユは厳しい寒さとは関係なくアイスアメリカーノを、ダソムは砂糖をたっぷり入れた温かいミルクティーを手にスタジオへ入ってきた。するとすぐにソユはレタリングタトゥーについてスタッフと真剣に討論を始めた。事務所からはするなら見えない場所にしろと言われたと不満をあわらにした。そしてソユがメイクをしに行くと、その間にダソムはひとしきり小さな騒動を起こした。ミルクティーを衣装にこぼしたのだ。
 
普通のティッシュではべとべとのままになると言うので水をつけて拭き取っていると、ダソムはいつの間にかスタイリストが持ってきた薄ピンク色の服に着替えてソファーに座っていた。頼んでいたピザが到着すると、すぐさま一切れを手に取り話し始めた。
 
「私はお花のプレゼントはあまり好きじゃない。贈り物は大切にしないといけないのに、花は枯れたらただの残りくずになって結局ゴミ箱行きでしょ」(ソユ)
 
「私のママもそう言うの。結婚記念日にパパがお花をプレゼントしたら何で買ってきたのって。クク」(ダソム)
 
すごい共通点を発見した大きな2つの瞳で、1つお姉さんのソユの言葉に不思議そうな顔で子供のように相槌を打つ。

 

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#ソユは懐の深い現実主義者
精巧な顔つきを軽々と裏切るハスキーボイスに、背中一面にジョーカーが描かれた少し大きめのカーキ色のジャケット。ソユの魅力だ。一つのことに固執するよりは新たに挑戦することを好む。気に入れば男性用の服でも関係ない。必要なものなら買うし、不要なら買わない。芸能人だし何か値の張るもの1つくらい持っておかなきゃ、という考えからは遠い。
 
「私は現実主義者です。お花のプレゼントがあんまりなのも、実用性がないからです。自分がプレゼントするときも必要なものを贈ります。本人に聞いたり、会話の中で欲しいと言っていたものを覚えておいて買ってあげたりします」
自分が貰うときは求めたりせず、もらったものは受け取る。贈り物は相手の気持ちだという重要な事実はきちんとわかっている。
 
活動がない間 不眠症にかかったというが最近はどうか、と尋ねると「随分良くなったと思います。大丈夫です」と周囲を心配させないように気を使う。
 
「今度オンニたち(ヒョリンとボラ=SISTAR19)が活動しているとき、私は運動してダイエットする予定です。スケジュールがあるとどうしても後回しにしてしまうんです。もう新年ですから。オンニたちのアルバムが出たら、いつか私のアルバムもでるでしょう?前もって準備しておかないと。」
 
寂しさに執着するより、虚しさを何で埋めようかと悩む方を選んだ。
 
「昔から週末にはアルバイトをして過ごしていました。美容師の資格を取ったのは中学2年生のときでした。芸能人になりたかったけど、成功する保証はないでしょう。美容の分野にもとても興味があるし万が一に備えるなら関心のある分野にしようと考えました。」
 
賢く将来に向けた準備を進めた10代を送ったが、未練と後悔は残る。
 
「もっと数学を頑張っておけばよかった、英語もしっかり勉強しておけばよかった、とか。今は自分に必要なものがわかります。当時は友達ともあまり遊べませんでした。平日の放課後には美容学校に通って、週末にはいつもアルバイトをしていました。時間も遅いからそのあと友達と遊んだりできなくて残念でした。友達は今の私を見て『良いなあ』と羨ましがります。でも私はこう思います。みんなが遊んでる間私は一生懸命働いて、練習して今こうなった。だから私を羨む立場じゃない、って。」
 
早くから社会経験を積んでいるからか、経済観念もはっきりしている。ダソムはまるで実の姉を自慢するように「ソユオンニは質素です。ブランド物のバッグも買いません。」とソユの素朴さについて話す。
 
「誰かにプレゼントするのは良いけど、自分に高価な物は買えないです。ちょっと使ったら失くしてしまいそうで。」

 

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“好きだというそぶりはみせるけど、自分から告白はしません。心はテレパシーで繋がってると思います。”
 
「私は妬みっぽいし、嫉妬深くて欲張りです。」
 
この堂々さはグループの末っ子に与えられた特権だ。しかしダソムのその特権の解釈は違う。
 
「みんな人よりたくさん手に入れたいけど、末っ子だから譲ってもらおうとは考えてません。むしろ『末っ子なんだから譲らなきゃ』と思っています。オンニたちが気に入った服や何かを持っていると『わあ 可愛い!』言う褒め上手です。ノルブ*1みたいに意地悪な欲張りじゃなくて、ただ自分の心に正直です。」
 
幼さの残る口調と表情いっぱいのダソムはもう21歳になった。彼女はシットコム「黙ってファミリー」で役者として活躍している。しっかりしていながらも友達には不良ぶる偽悪的なキャラクター ウ・ダユン役を不器用ながら立派にこなしている。丸く目を開けて「本当ですか?」を口癖としている姿は、“ダユン”よりもうぶで、実際同年代の歌手ダソムではなく20歳のダソムを投影しているかのような大人っぽさがある。
 
高価な外車に乗るダソムはアルバイトで小遣い稼ぎをする友達と合わないと感じる。
 
「私ではなく周りの人が判断することだと思いますが、デビューして2年ほど経って自分をコントロールすることができるようになったと思います。昔だったら泣いたり落ち込んだりすることでも今では『気にしないようにしよう』と考えて鈍感になっていったと思います。傷ついて腹が立つことにも慣れました。」
 
喜怒哀楽、そのどの感情をあらわにしても理解される年齢ではないのか、と聞くと「悲しい」と言いながらいぶかしげな反応を見せた。
 
「大人はみんなそうして生きているじゃないですか。社会で生きているといろんなことがあって、すべて自分の思い通りにはいかないでしょう。世界は自分中心で回ってないから。」
 
一般人でも自分を客観視するのは難しいのだから、幼い頃から事務所に守られて育った人たちにはなおさら難しいだろう。それでもダソムは本、テレビ、映画を観て熱心に自分の視野を広げている。最近はドキュメンタリー「最後の帝国」が面白かったとウキウキした声で話す。
 
「タイムマシーンがあったら、過去の自分ではなく先史時代に行ってみたいです。ほとんど文明の恩恵を受けることができなかった時代のことです。現代に私たちは3D・4D映画、ビデオ通話、メッセンジャーなどの文明の恩恵を全部受けたので、生まれたままの自然の状態で暮らしてみたいです。貨幣もなかった時代に。」
 
人間は何のために生きるのか、金なのか愛なのか、人生の価値を問いかける内容だったと興味津々の表情で熱心に説明する。
 
フィンランドのサウナには、風で沐浴する「風浴」というのがあると言うと「本当ですか?素敵」と大きな目をぱちくりとさせた。

 

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“好きな男性の前では男の子、少年のようになります。友達みたいに気楽にアプローチします”
 
#ソユとダソムの恋愛本能
他のインタビューを読んでも、なかなか恋愛の話がない。可愛くて(「Shady Girl(가식걸)」)セクシーで(「私一人(나혼자)」)堂々とした(「So Cool」)女性として歌う彼女たちなのに意外だった。好きな男性にはどうやって接するのかと尋ねた途端、ダソムとソユの目が輝いた。その質問を待っていたかのようにダソムが話す。
 
「隠しません!あからさまに好きなそぶりをみせるわけじゃないけど、隠せないので相手に伝わるんだと思います。すごくよくしてあげるんです。その人が言うことをすべて気にして聞いて、小さなことまで全部覚えておくし、その人の頭からつま先まで細かく見ます。なのでその人も自然とわかるみたいです。残念ながらデビューしてからはそんな風に夢中になった人はいないです。」
 
相手の魅力はたくさん話をして頻繁に会わないとわからないのに、そういう人がいないのだという。
 
「私は好きだというそぶりは見せません。好きな人の前では男の子、少年みたいです。『好き』『会いたい』とか言えないんです。好きな人ができたらただ待ちます。友達や妹として仲良くして気楽に接します。あとで好きだったことがわかると『本当に?知らなかった』とよく言われました」(ソユ)
 
「私も告白は絶対しません。ただ気があることをみせるだけです。その人から告白されたら『本当?』と大きくリアクションして『面白いからもう一回言って』とお願いします』(ダソム)
 
濃い恋愛の高段者の匂いがするとからかうと、
「そこまでじゃないです。駆け引きとかはよくわかりません。告白は... 断られたら傷つくから、ただテレパシーで伝えます。ハハ。恋愛本能がある?うーん、そうなのかな?」 
 
短いインタビューをあとにして次のスケジュールに行かなければいけないとマネージャーが目配せすると、残念そうにソユが言った。
 
「もう、最初からこの話題にしなきゃ〜 やっと面白くなってきてたのに!(笑)」
するとダソムが「またしましょう!私たち、撮影もインタビューも好きです。」と指切りした。
 
そして「雑誌に書いておいてください。男性読者の方に、誘ってくださいって」と頼んだ。アイドルの中でも連絡先を渡さないことで有名なSISTARにしては果敢だ。
 
「連絡先ですか?一度も聞かれたことないですよ。オンニはあるの?」(ダソム)
「うん。ダソムはないの?」(ソユ)
「一度もない」(ダソム)
「....え?」(ソユ)
 
でも「Singles」は女性読者が多いはずですよ。
 
「あ... そうなんですか」(ダソム)
 
まるでピンポンゲームをするように会話のやりとりをした2人を見ていると、いつか成熟した姿で「愛する人ができました」という日が楽しみになった。その日が来たら、私はその勇気に拍手を送り心から祝福するつもりだ。
 

 

Twitter: @vouschuchotez

*1:韓国の昔話の登場人物で意地悪で欲張りな人。