beneath your beautiful

fangirling all day

ありのままのソン・ジヒョ @ allure 2017年2月号

 

シワを気にせずに大きく笑って見せ、自虐的なジョークも気軽に飛ばす。ありのままの姿で愛されるというのは難しいことだが、ソン・ジヒョには違うようだ。ありのままの彼女に会った。

 

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カメラマンがカメラのフラッシュを光らせるたびに褒め言葉を投げると、ソン・ジヒョは「プハッ」と笑った。そばにいたスタッフたちは、写真を見ながら「綺麗」と口ずさむように独り言をつぶやいた。当の本人には聞こえないほど小さな声で。おかしい。芸能人を撮影する時は、スタッフ全員が約束でもしたかのように歓声を送るのに、ソン・ジヒョの撮影スタジオは静かだった。彼女は「綺麗」という言葉を照れくさがり、女優という修飾語に違和感を覚える。ソン・ジヒョが見せたい姿はそれとは異なるからだ。

 

撮影終了後、「10分だけ待ってください」と言うと、髪をぎゅっと結んで化粧っ気のない顔で現れた。定番の化粧ポーチもなく、普段はティッシュ一枚だけ持ち歩くと言う。そんな化粧支度には無関心に見える彼女が生まれて初めて自身の冠番組「ソン・ジヒョのビューティビュー」の司会を担当することになった。最善を尽くした結果は自分の役割ではない(최선을 다해보고 그에 따르는 결과는 자신의 몫이 아니다)という彼女は気さくに、まるで他人事のように語った。「どうしようもないですよ。勇気を出して、まずは挑戦してみるんです」。ソン・ジヒョはたくさん笑い、たくさん話した。彼女の笑顔に伴う言葉は正直だった。だからソン・ジヒョはもっと綺麗だった。いくら彼女が否定しても。

  

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撮影中少し驚きました。グラビア撮影時は普通、スタッフ全員がモデルに対して褒め言葉をあれこれ投げるのに、今日は非常に静かだったので。

大げさなほどの賞賛には負担を感じます。撮影時は、私のポーズや表情がぎこちないとき指摘を受けて話をするくらいです。「綺麗」という言葉はとても照れくさいし恥ずかしいんです。
 

じゃあ代わりに、「美しい」は?

その言葉が嫌いな人はいないでしょう。でも、私を動かすのは「自然だ」「一生懸命だ」「すごく上手だ」といった言葉です。
 

「ソン・ジヒョのビューティビュー」制作発表会で、化粧ポーチがないと仰りました。今もないのですか?

はい。必要ありません。カバンやポーチを持ち歩くよりは、全部服のポケットに入れて行動します。今日持ってきたカバンには、撮影で使う靴や念のためにヌードカラーの下着、ヌーブラが入っています。プライベートではカバンも持たずもっと身軽に出かけます。海外へ向かうために飛行機に乗るとき以外は。そのときは静電気防止スプレー、マスク、ミストと耳栓を持って行きます。
 

化粧に無関心なジヒョさんが美容番組のMCになりましたね?

ある日、自分の顔を見たとき「そろそろ目の下に何か塗った方が良さそうだな」と感じました。そのときから日焼け止めクリームを塗るようになったのですが、肌が明るくなるのを感じました。BBクリームとCCクリームを使うようになった頃に番組MCのオファーが来ました。化粧をし始める年頃からプロにメイクをしてもらっていたので、簡単なものと思っていました。でも、いざ試してみるとすごく難しいんです。番組を通して化粧品を知るようになったし、学んでいく過程が面白いです。お化粧ができない人も、プロを真似て試行錯誤する私の姿を楽しく観ていただけるかと思って勇気を出しました。
 

「すっぴん」がジヒョさんのシンボルになりました。

いつからか、化粧をしないでいると体調が悪いのかと尋ねられるようになりました。私は何てことないのに...(笑) 「どうしてだろう?もう少しニッコリと笑ってみようか」と思いましたが、勇気と自信だけではどうにもできなくなった瞬間があったんですね。みんながしているから、ではなく自ら(必要性を)感じて始めたことなので、より積極的にするようになるんだと思います。時の流れは止められないから、それに対応できることをしなければならないと思います。
 

月日の流れに逆らうようにプチ整形や整形をしたりはしなさそうです。

若い、というのは良いことでしょう。でも、若い子たちに会えば会うほどに後悔を感じることは、「どうして私はあの頃持っていたものの大切さを知らなかったのだろう?」ということです。同じことをしても早く回復できるから、すぐ他のことを始められるエネルギーも羨ましいです。
 

気さくな女優としては指折りです。それが自分の行動のしがらみになることは?

私も人間ですからかっとなることもあります。ただ、特に敏感になってイライラする部分があって、その感情をアピールしなければいけないのに親しみやすいイメージのために言えないこともあります。感じるままに行動してしまうと「あいつ変わったな」と言われるかと思って、もどかしい思いをしたこともあります。
 

女優は人々から期待されることが多いかと思います。容姿はもちろん、演技、私生活、性格など。そのような枠に縛られることは?

私は「女優」という修飾語に常に違和感を覚えます。女優のように行動したり扱われると恥ずかしくなります。俳優というタイトルは未だ手に余ります。私は、芝居を一生懸命楽しむ女優になりたいのであって、女優になりたいわけではありません。女優だけとして見られるとあまり良く思われないかもしれません。そのような方々に女優としてアピールするよりは、俳優として本業に忠実な姿をお見せしたいです。
 

一番かっとなる瞬間は?

家から一歩出たら地獄だと言うじゃないですか。玄関を出たら心を空にします。「今日は楽だったらいいな」ではなく「今日はどんな面白いことが起こるだろう?」と考えます。でも、気まずい人間関係には耐えられません(笑) 我慢してもダメだったら距離を置きます。それで上手くいかなかったら別れます。「忍」と言う字を心の中で3回書くスタイルです。

  

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ドラマ「元カノクラブ」では、役者としてのソン・ジヒョを見直しました。視聴率は良いとは言えませんでしたが。

その作品で初めて早期放送終了を経験しました。どの作品であれ終わりはあるし、その時まで多くの方々と心を一つにして走っていくのが面白いです。それなのに、全力疾走していたところのすぐ目の前に終わりが来たので気抜けしました。また悔しくもありました。
 

最近出演したドラマ「今週、妻が浮気します」のチョン・スヨンは、多くの女性が共感するキャラクターでした。熱心に働き、かつ家庭も守ろうとする女性の葛藤や感情を上手く表現していました。キャラクターがソン・ジヒョというぴったりの女優に出会ったのか、はたまたソン・ジヒョがキャラクターに上手く出会ったのでしょうか。

そういった話を聞くと嬉しいです。以前から考えていたことですが、白い画用紙が作品の枠だとすると、それに絵を描くのが監督の仕事で、その色にしっかりと合わせるのが俳優の役割だと思っています。私はその画用紙に描かれている一人として染み込みたいです。作品に関わっている間は、私という人間をなるだけ消そうとしています。
 

お芝居をしていると、どうしても本人の色が出てしまうため、それを(役に)馴染ませるか完全に消し去るか、葛藤する役者も多いんですよ。

私は毎回切り替えます。自分のものに固執するよりは、「あの時どうしてあんなだったんだろう?」とじっくりと噛むスタイルです。あと、周りの人に本当にたくさん尋ねます。それぞれ違う答えが返って来ますが、まず聞いてみると自分だけのもの浮かび上がってきます。ある意味、芝居をする時は芯が弱いです(笑) 「今週、妻が浮気します」からの切り替えは、次の作品でします。作品一つ一つの余韻がたくさん残っているし、愛着が強いんです。作品だけでなく、周りの物や人も気軽に替えたり捨てたりできません。
 

断捨離できない人が整理ができないと言いますが?

整理が得意すぎて捨てられないのだと思います。捨てようとした物を違う場所に置き直したり、リメイクしたりするのが面白いです。
 

もう使っていない古い携帯電話も持っているとか?

携帯電話はもちろん、古い下着も捨てられないし、パジャマとして着ています。節約家とも言えますが、貧乏性なんだと思います(笑) こんなだから家に物が溢れすぎて、両親に怒られたりもします。自分の物に対して強い愛着があります。携帯電話も、写真を見ようと取り出しては昔のメールを読んで、「この頃はこんな口調で、この人にはこう言う風に接してたんだな」と過去を思い出します。過去に縛られているわけではなく、回想するのが好きな方です。
 

記憶力も良い方ですか?

道をよく覚えているのでマネージャーたちは大変そうです(笑) 「ランニングマン」のメンバーも、収録中申し訳なく思っていたことを思い出して謝ると、「ん?何のこと?」と戸惑います。不思議と、出来事や道はよく覚えますが、数字や名前、タイトルは覚えられません。それも覚えられたらAlphaGoになれるでしょう(笑)
 

一番怖い存在はお母さんだそうですね。

好奇心旺盛でやりたいことをやらないと気が済まない性格のため、気のままに行動してしまうと悪い道に行ってしまうかもしれないし、放蕩娘になってしまうかもしれないと思います。ある刺激は違う刺激によって忘れられるものですから。その中心を守ることができたのは両親のおかげだと思います。未だに両親は怖いけど、最近はそれを超えて恋しいし尊敬しています。両親がいない世界を想像すると怖くもあります。大切だということをわかっているので、失うかと怖いのだと思います。毎日会っても切ない気持ちになります。
 

意外です。「自分だけの空間」に執着する自立したタイプではないのですか?

家族と同居していても、自分の部屋は守ります。実際、家族は私だけの空間を侵害しても許される唯一の存在だと思います。だけど、自分だけの空間がもっと必要な時は車に移動します(笑)
 

最も一人でいたい瞬間は?

心も体も疲れている時は一人の空間が必要です。そういう姿を家族に見せたくないんです。自分の肩の荷を減らすというよりは、家族の荷を増やしているように思うんです。
 

一人暮らしを考えたことは?

一度もありません。20代前半のころは、夜遅くまで遊んで帰ってくることが多かったんです。その時一度両親に、いっそのこと一人で暮らせと言われました。私は嫌だと言って喧嘩しました(笑) 家族みんな変わった性格なので、一緒にいると私がめちゃくちゃ普通の人に感じるほどです。家族と一緒にいると、本当に面白いし幸せです。その恵まれた環境を自ら捨てる理由がありません。
 

人間関係は狭く深いタイプですか?

7年間「ランニングマン」に出演して、それまで閉鎖的だった性格が大きく変わりました。番組が私の人生を豊かにしてくれました。相手と深い関係になろうと思うと互いにコードが合わないといけないけれど、それを知っていくのにとても時間がかかります。長くかかってもそばにいてくれる人たちは贈り物のようです。
 

バラエティ番組はお芝居の助けになりますか?

とても。私は何かを受け入れるのが遅いしとても時間がかかります。「ランニングマン」に出会っていなかったら今頃取り残させていたと思います。寝る時間と家に帰る時間、トイレに行く時間以外ずっと24時間ついてくるカメラとも仲良くなったし、毎週月曜日・火曜日に会うスタッフとメンバーを通じて「大変な世の中だけど、こんなに愉快に乗り越えることができるんだ」ということがわかりました。「ランニングマン」に出会っていなかったら、どのように生きていただろうかと思います。
 

今年もジヒョさんの演技を見られるでしょうか?

作品に対する意欲は常にあります。ぴったりの服のように私に合う機会がいつもあれば良いけど、そうはいかないじゃないですか。今はその服を探すための準備をしています。

www.allurekorea.com

 

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あとがき

アイドル(というかSISTAR)のインタビューしか訳したことがなかったので、思っていた以上に長く充実した内容でびっくり(笑)通学時間にちょこちょこ訳していたら原文の公開から1週間も経ってしまいました。知らない単語以上に、知ってはいたけど曖昧に認識していた単語や文法にほとほと悩まされ、韓国語もまだまだだなあと改めて痛感。原文のニュアンスを維持しつつ自然な日本語に直すように努めましたが、ところどころ不自然な箇所もあるかと思います。ご容赦ください。

内容ですが、「物が捨てられない」とはなかなか意外でした。6年くらい「ランニングマン」を観てきたけれど、やっぱり番組だけではわからないことだらけだなあ。だからこそ、他のバラエティ番組やラジオ、雑誌のインタビューでの収穫が多くて楽しかったりするのですが。あと当方は昨年(当時18歳)一人暮らしを始めたので、未だにご両親と同居していることもまた大きな衝撃でした。私は実家に帰る期間をできるだけ短く、と考えるほど一人暮らしを気に入ってしまったのでとても信じられないです(笑)でも一緒に暮らして幸せだ、というのだからそれが合っているんでしょうね。

「ランニングマン」のおかげで人見知りの性格がマシになった、というのはどこか他の場所でも言っていたように記憶しています。それこそ番組では気さくでフレンドリーな印象を与えますが、裏ではかなり苦労したかと思います。性格って簡単には変わらないし、自分の意思でひょいっと変えられるものでもないですもんね。


また新しいインタビューや、そこまで古くなく面白いものを見つけたら訳してみようと思います :) Thank you for reading! ✏︎